接着芯にいろいろな種類があるように、接着剤テープにもいくつかの種類があります。
Contents
接着芯とは(おさらい)
接着剤のついた布で「サイズ・色・素材・厚み」にいろいろな種類があるということを前の記事で説明しています。
接着テープとは
接着剤のついた布(=接着芯)をテープ状にカットしたものを「接着テープ」と呼び、おもに以下の6種類があります。
- 伸びない :伸び止めテープ(平織り・ストレート)
- すこし伸びる :伸び止めテープ(綾織り・バイアス)
- 伸縮性がある :接着ストレートテープ(平織り・ストレート・薄)
- とても伸びる :接着バイアステープ (綾織り・バイアス・薄)
- ニット用テープ
- 接着剤だけでできたもの(網状・両面)
基本の色は白・黒ですがカラーの製品もあります。
※ちなみにですが「ニットテープ」と呼ばれるものはニット素材の「バイアステープ」となり接着テープではないです。
パターンによっては「接着芯と接着テープ」それぞれを用意するように手順書に書かれていますが、接着芯さえあれば接着テープはつくれますので、必須というわけではありません。
伸び止めテープは不織布などの「接着芯をテープ状にカットしたもの」というだけなので、テープをもっていなくても接着芯を切って使えばいいのです。
手作りテープのいいところ
- お好きな色・素材から、接着テープをつくることができます。
- 不織布芯をつかうと「伸びない」伸び止めテープができます。
- ニット芯をつかうと「伸縮性のある」ニットテープができます。
- 芯をバイアス(斜め)にカットすると伸縮性をさらにもたせたテープができます。
- お好きな幅でつくれます。
- お好きな薄さでつくれます。
手作りテープのいまいちなところ
- 幅が均等にならない。
- 細切れになる。
- 織り糸の縦横がゆがんでしまうことがある。
- つくるのが面倒くさい。
安いものなので、私は副資材として既製品を購入して使っています。8~10mm幅の片面接着の「白と黒」を両方もっていると便利です。私はアサヒのものを使っていますが、いろいろお安く販売されているので探してみてください。
接着テープの利用目的
おもに2つあります。
- 伸び止め
- 補強
目的に合わせてテープを選ぶとよいですね。伸び止めテープといっても「伸び止め」だけを目的としなくてもいいのです。
接着テープの貼りかた
縫い線に数ミリほどかかるように貼ります。縫うときは接着テープもいっしょにミシンで縫っちゃいます。こうすることで布にテープ効果を出すことができます。
接着芯とおなじようにアイロンで「接着&定着」させます。
伸びない:伸び止めテープ(平織り・ストレート)
– Straight Fusible Stay Tape –
「接着テープ」のなかでいちばん代表的なものが「伸び止めテープ」になると思います。しっかりしていて縦にも横にもまったく伸縮性がないのでその名の通りの性能で「伸びない」です。英語ではテープ布の折り目をみてストレートテープと呼ばれています。
私がつかっているのは代表的な製品「アサヒのアイテープ」。テープの布地がしっかり・かっちりしているのです。
これは接着テープの布目の織り(縦と横の糸)が直角に交差している平織りで、素材材質は綿35%・ポリ65%でできています。
![]() |
価格:332円(税込、送料別) (2018/2/2時点) |
使用箇所
直線部分:◯
おもに直線に使います。
肩・ポケット口・スリット・テーラード襟の折山、補強したい部分・しっかり折り目をつけたい部分にもつかいます。
曲線部分:✖️
カクカクしてうまく貼れない。
すこし伸びる:伸び止めテープ(綾織り・バイアス)
– Bias Fusible Stay tape –
上の伸び止めテープの「きょうだい」のようなものです。
テープ布がしっかりしているのは同じですが、縦と横の糸がななめに交差している綾織りとなっていて伸縮性があります。伸縮性があると言ってもゴムのような使い道はありません。曲線(カーブ)に沿わせるのにちょうどよく曲がるという程度です。
英語ではテープ布の折り目をみてバイアスのテープと呼ばれています。
素材材質も上とおなじで綿35%・ポリ65%でできています。
![]() |
価格:396円(税込、送料別) (2018/2/4時点) |
使用箇所
直線部分:△
直線部分の伸びを止める効果はほとんどないですので、補強したい部分・しっかり折り目をつけたい部分に。
ストレッチする生地(ニット素材)の直線にもいいですが、それほどは伸びませんので「伸び」感を確かめてから貼るようにしましょう。
曲線部分:◯
衿カーブ、脇カーブ、袖カーブなど。
伸縮性がある:接着ストレートテープ(平織り・ストレート・薄)
ガーゼのような透ける薄い布地に接着剤がついています。
平織りながら伸縮性がありニット素材に向いています。「伸び止め」としての効果は薄いですが使い勝手が良いです。
アサヒマイティーテープはポリエステル100%で作られています。(私はアサヒマイティテープではない「Origin Tape」とかかれたテープをふだん愛用しています。)
![]() |
アサヒ マイティーテープ 平 ウス地用 9mm×25m アイロン片面接着テープ 価格:310円(税込、送料別) (2018/2/4時点) |
わたしはこれを大人買いならぬ大人使いをして、生地の端処理に利用しています。
生地が薄いときは端のジグザグ縫いがうまくかけれないですし、テープで処理するほうが簡単できれいに仕上がります。もしもテープから生地がはみでてしまったのなら、いらない部分は切り落とします。すこしくらいテープの部分を切ってしまったとしてもほつれることはありません。
使用箇所
直線部分:◯
伸びを止める効果は薄めですので、補強・ほつれ止めに。ダブルガーゼなどの薄い素材を補強したいときなど。ストレッチする生地(ニット素材)の直線にも向いています。
曲線部分:◯
衿カーブ、脇カーブ、袖カーブなど。
とても伸びる:接着バイアステープ(綾織り・バイアス・薄)
さらに伸びるテープが、上の「薄いテープ」の綾織りになっているテープです。
縦にも横にも自由に伸びます。もっているのですがあまり使っていません。ほとんどが上の薄い平織りテープで済んでしまうのです。
使用箇所
直線部分:✖️
伸びすぎます。
曲線部分:◯
カーブ部分。ストレッチ素材、ギャザー部分。
ニット用テープ
テープ自体がモアモアしているので、冬物生地のような毛足が長い生地に向いています。
アクリル77%・ナイロン23%でできています。
![]() |
価格:233円(税込、送料別) (2019/3/6時点) |
使用箇所
直線部分:◯
曲線部分:◯
ニット用と書いてあるのですが「ストレッチ素材」という意味のニットとは違うのでご注意を。
接着剤だけでできたテープ
– Double-sided Fusible tape –
接着剤だけでできているので「芯」としては役にたちません。網目状になっていてとても薄いです。もちろん、接着剤だけなので、両面がノリ面です。
![]() |
価格:291円(税込、送料別) (2018/2/4時点) |
よくある裾上げテープと変わりません。
スカートの裾は2つ折り〜3つ折り指定になっているので、なるべくテープ自体の厚みおさえたいところです。このようなときに、接着剤のみの接着テープは使い勝手がいいのです。
おわりに
接着テープは接着芯からつくれます。
ただある程度の長さを作らないといけないのであればとても手間なので買ったほうが楽です。いろいろな色が販売されていますので、お作りになるものにあわせて購入されるといいと思います。
薄い色の生地に「黒」などの濃い色のテープをつけると透けることがあるので、色は生地より薄い色をつけましょう。